正々堂々が信条 所詮堂々巡りの心情 滔々と脈打つ心臓の音をひた隠す 涅槃も忘れて 冥々の裡に枕上濡らす 到底越えられぬ夜を 精々余所行きの仮面を被って澄まし 顔で熟すの 縋り付いた手の感触も 吸いかけの煙草の匂いも 染み付いて仇になって離せなくて 痕を付けるの 今宵は月が綺麗だって 貴方にそう言ったって 此処ではない何処かを見てるの 予定調和の恋なんて 貴方は要らないんだって 気付いてしまったって戻れなくて 夜半の空が弱さをただ映し出して 経験則で言えば私ちょっと 物足りないって 騒々しい心を宥めてはまた違う 明日を願った 淡い白昼夢に揺蕩って 醒める事を恐れていた 枯れ落ちて徒になった花の様で 目蓋伏せるの 来ない別れの兆しに安堵して微睡む 返答のない指を手繰り寄せた 予定調和の恋なんて 私似合わないんだって 蓋して仕舞ったって隠せなくて 夜半の空に浮かぶ雲が憎らしいの 目に映る景色の一つひとつにさえ 貴方を浮かべてしまう 思い出が痣になって歯痒いまま 心委ねた 今宵は月が綺麗だって 貴方にそう言ったって 此処ではない何処かを見てるの 予定調和の恋なんて 貴方は要らないんだって 気付いてしまったって 来ない別れの兆しに安堵して微睡む 返答のない指を手繰り寄せた 予定調和の恋なんて もう望まないから 束の間の幸せ抱きしめたの 夜半の空に浮かぶ月がまだ滲んでる