浜辺の向こう 空と海が ほほを寄せているところ 白い光に 滲みながらも 大きく 大きく 手をふっていた ひとときの静けさにラジオの声が 静かに染み入る夏の午後です あなたが残したジュースのビンが 防波堤越しに雲を見ている 夏は白い帆をあげて まぼろしの街まで船をだす あなたは乗り込むんだね 胸を大きくふくらませて ノートにはさんだ花のしおりは 去年の夏に摘んだ花です 今年はどこへ行こうなんて 今さらはなして笑っている 季節がまぶたに焼きついて まばゆい光が遊ぶころ 走りだしたらとまらない やがて秋の迎えがくるときまで 砂にうもれた貝がらひとつ 太陽の光にすかしてみてた 砂にねそべり耳をすませば あなたの息づかいがきこえくる 今にもあなたがかけてくる わずかに乱れた あなたの声がきこえてくる