しとどに雨が降っていた 陽の光も目に入らない曇天だ 波打つ僕が映っていた 存在しないはずの君と共に 透き通った君は僕に言う 「重そうな荷物 代わりに持ってあげようか?」 背負った物が なんだったのか もう思い出せないよ 何が大切だったのか 優しい世界に生まれた僕は 君に何も出来ずに 哭いて 諦めて こんな音楽を奏でてられるのは まだ 僕に 生きられるだけの余裕があるから 雨音が去る 滴が落ちる 歪んだ僕が覗く 君は屈託なく笑ってる 大事な物を 失くした後も 続く世界なんて 気味が悪いよなあ? 「逃げるな」「戦え」僕は言った 絶望の先に 必ず希望があると そんなの虚言だ 綺麗事だった そう 伝えたいのに 君はもう居ないんだ 叫べ 恨めよ 下らない僕を 君の痛みも知らずに 驕って 追い詰めて こんな不平等な人生の中 まだこれ以上 幸福の余地を探す 僕は傲慢だ… 6月はもうすぐだ 君が1番好きな季節だ それまで待てないよ 汚い自分と知ったまま 君の命(おもに)を背負って生きる 僕の身にもなれ 雨に打たれる花のように 僕も輝きながら 散って ゆきたい 優しいままで 美しいままで 君のいる透明な世界へ ああ 飛び立って ゆきたい