宵の路次に 燈る灯燈に 蔓延る無数の羽虱達 雨粒に物怖じずに熒に 刃向かう姿勢にただ嫉視 眩む空漠、不得手の劈 遍く拙劣な盲滅法の策 温い風が傷に滲みる 作為を表層に決して出さぬ 一寸闇に奔る先に 踏み抜き真っ赤に染まる薊 痛む執念、喰い込む針を 飲み込む、む、む、無 其の侭の言葉が在れば 焦がれた祈りを託すの 鬼を衒えたら 迷妄なんかに惑わされないから 「混濁した感情」なんて 報われないのでしょう 倦怠引き摺っては 堪え切れない黎明を睨むの 縋る半身はもういない さっき粉々に尽くせり 群れる虫達喰いつくし 求められるは幽闇幽闇 耳覚えのある旋律 鼻につく文節、目眩む千色 絡繰り成功、品なき憶測 彼方此方、舞う鮮血 数多の凡夫を踏み抜き 崇めたるは本物の才人 極彩の街に溺れる愚民 「終点、大帝都東京也」 ― 咎メルニハ 償ウニハ、許サレルニハ ― 或る侭の姿容が良ければ 揺るがぬ精神を抱くの 銭を咥えたら 誰かの役には成り得ようだけど 「忖度した感情」なんて 救われないでしょう 限界に怯えては 堪え切れやしない・・・・・ なにもない僕の唄でも 仮に意味があるのならば このまま生き続ける 理由にだって成り得よう だから、最終章をもう一寸だけ 遅らせましょう 爪先を少しずらし 先の見えない明日へ向かうの 「墨ヲ塗ッテ隅ヲ縫ッテ」 当などない阿弥陀籤 「罪ヲ抱イテ詰デ知ッテ」 間違いだらけ選択肢 「息ヲ吸ッテ粋ヲ絶ッテ」 いつかは終わるんだ 其れ迄続け幽闇幽闇