まあ、別になんてことはない 何もかも厭になって 逃げだしただけ そう、別に大したことない 人様の振りをするのに疲れたんだ 待望の情景は想像とは違った 所詮は虫籠の範疇みたいだ 不吉な予感は合点がいった 掛けた鍵を沈める 熟れて売れぬ果実は既に 糖と酸味を尽くした 簡単に、踏まれたって 黙って耐えるのだって 這うことでしか見えないものもある 粗雑に捺された足跡等は 一生消えない、覚えている だから 降れ降れ霰、降れ降れ五月雨 果てなき奔走 霹靂を待つ 段々狭まって、また行き止まりと 振出に戻るこれで何度目か 嗚呼、鬼胎鈍らす薬が効きすぎて 今日も終日何もできずに まあ、彩が映らぬ視界にこれ以上 頼る理由も見当たらない 散々抗って、惨憺痛がって 燦々めいた貴方が笑うから もう何も信じられなくなった 柳蛙の葛藤 何にもいらないって 嘘をついていたんだ 本当は全てが欲しかったんだ 錻力のようにちくたく刻むだけ ぶっ壊れる位に踊り狂う道化 真っ白な画布は 気づけば穢れちまって あの日々の事思い出させるような 擦れど擦れど滲んでいくだけ 早く消えろ 「 ゼンブキエロ 」 あんなに愛されたって 何にもなれなかったねって 種が悪けば実も為る筈もない 己の辛苦は誰かの甘露だ 齧った果皮は苦すぎた そして 降れ降れ霰、降れ降れ五月雨 なけなしの精神 流れ落ちていく 縁も業も記憶も残さず積み上げて 木っ端微塵で終わらせましょう 妄言多謝、悲喜劇は幕引き