ねぇ、私ひとつ思うことがあるの 描く幸せは いつまで経っても叶わないと 二人で住んで、 家具もないのに笑って それだけでいいと思うよ。 寒いなら暖かい毛布とミルクを! 幸せそうに笑うことが、 どれほど難しいことか 子供の頃は知らなかった いや、 知っていたからわからなかった 明日ひとつ分掴めないなら、 きっと草臥れた今日だけだ もう何も叶うなよ。 ねぇ、柔らかく広がる肌の上の ほんの小さな傷が 気になってしまっているんだ。 淑やかに重力に委ねる髪で 隠したとしたって 幸せとか嘘みたいで 言えないでしょう。 偽の永遠を味わうように、 止まるような速さで歩む。 湿る風がいつか嵐になる! それに呑まれ、全部呑まれ 明日ひとつも望まぬ日が きっとあなたを傷つけている。 ねぇ、この部屋じゃ 生活は咲かないだろうから 廃れゆく街に帰りたいよ。 ねぇ、私ひとつ思うことがあるの 描く幸せすらなくなっていること。 この部屋の匂い、あの街の色 愛していた一つ違わず 言葉じゃ取るに足らないものでも 墓に名前を刻むように、 この街を傷つけていく。 きっとこの先も惑うけど、 明日も目覚めたい。