ここは埃を被った映画館の中だ 二人だけが見返す映画 僕ら以外誰もいない、広告もない 「まるで世界がもう 終わったみたいだ!」 カラカラと回るフィルム、 あなたの横顔 僕ら永遠じゃないと 本当はわかってなどない あの映画みたいな報われる結末を あの映画みたいな果てなどない夏を 僕らいまだに憧れてしまうよ 愚かなほどに、そんなものないのに 誰もいない座席にはいつかどこかで 見た 綺麗な花が咲いていたんだ ここもいつか朽ちるだろう 「その時に僕らは何を 思い出すんだろうか?」 はらるらと揺れり、 緩むあなたの口元 僕ら映画みたいに 生きられなかったけれど あの映画みたいに胸打つ生き方を あの映画みたいに果てなどない愛を 「最後だから迎えに来たんだよ」 「来世でも、って映画みたいね、 おかしいかな?」 「でも信じてみてもいいかもね」 「また会えるよね? 嘘じゃないよね?」 「きっとさ、きっと。」