初春の光さやけく 若草たちは絢爛と 花を咲かせては夢の中へ 蕾など風景画の様に 戸を開くこの高鳴りは 名もなき貴方へ続く 叶へて下さるなら 泪に浮べたひとりごと 短し命に揺れる想い まだ言葉さえ掛けられずに 珈琲の薫り眺め遣れば また遠きユメ 幾度もおとづれるのは 貴方の影が消えた後の 空いた儘の席は哀しくて 口運ぶ紅茶も淋しい 美しいそのまなざしは 遥か遠くの空模様 憐れというのですか 届く宛の無い 秘め心 嗚呼 願いを込めてと書き綴る 時の間の春よ醒めないで まだ小さき小さきこの戀に 願いを込めてと 短し命に揺れる想い まだ言葉さえ掛けられずに 珈琲の薫り眺め遣れば 見慣れた横顔 駆け出す 懐 忍ぶまじない ひらひらとリボン舞う 春光うららかです 珈琲の薫り指触れれば ただ もも色の夢