悴んでいる 指先でなぞった 誰かが書いた 「大好きだよ」 カーテンを開けたら 本でも読もうかしら 暇を潰すアイデアを 下さい 唐紅の 電飾の向こう側 照らされた頬 解けた笑顔 もみの木には去年の アンティークがぶら下がっている 愛しさのような 無関心を下さい 鼻歌まじりの いつかのあなたを 思い出してしまうの 妄想してた夜が恋しい 自惚れていないで 側に来てよ 冷めた珈琲を飲み干して あの日よりはマシな夜 息が濁って 分厚いコートの下 行き場失った 体温と さよなら 終日雪が降り けれど暖かい ストーブの火が揺れてる ウトウトしていた夜が恋しい 何も言わないで 温めてよ 何食わぬ顔で続けて 今日1日の出来事 悴んでいる 指先でなぞった 誰かが書いた 「大好きだよ」 もうどうしようもなく恋しい 何もいらないから そばに居てよ 鈴の音が鳴り止んでも 灯りが消えてゆくだけ