不思議と寒くなかった あの日を思い出していた 気温は今よりも 低かったはずなのにな 雪降る夜公園の ベンチに君と二人 チェックのマフラーに 包まれていたっけな 「私この季節がいちばん好きなの」 あなたの温もりが近いから 目をそらして照れているあなたの 横顔に僕は見惚れていた 降り出した白い粉雪と 吐き出した白い息 驚くほど澄んだ空の下 君は今誰を思っているかな 瞳に映る景色は 綺麗なはずなのに ああどうしてかな 視界がぼやけてよく見えないや 帰り道一人きり 通り過ぎる恋人たち つい最近まで同じように 手を繋いでいたのにな 鳴り止まないクリスマスソングと 眩すぎるイルミネーションが 僕を責めている様で 君をまた思い出させるんだ 偽りの脆い温もりを 探し求めたあの日 この冷え切った心までは 温められないことを知った 瞳を伝う涙などは 拭わないままで 叶うことのない 「もう一度だけ」を何度も願った 降り出した白い粉雪と 吐き出した白い息 驚くほど澄んだ空の下 君は今誰を思っているかな 瞳に映る景色は 綺麗なはずなのに ああどうしてかな 視界がぼやけてよく見えないや