蜃気楼さえも 力に換えてゆけ 戻れないよ さざ波の音が思い出せず いつかのドライブ 桜降る町並み抜けたなら ひらく青 さよならが寄せては返す 走り出して 灼けるエンジン いたわる愛と 月まで届く咆哮 遠くまで 転がっていく季節に 戻れないよ はしゃぐ声聞こえる ベランダに青いトマト 水を差す事など 誰ひとりできないのです 傍に居たくて 手を伸ばして 萎れるまいと 寝返り打ちながら 散らかった部屋に 匿っている希望 ざわつく今夜 君に触れられるなら 声も枯らす なぜだか その俯き加減に惹かれて 永遠を望んでしまった 始まりの鐘が鳴るから 走り出して 灼けるエンジン いたわる愛と 月まで届く咆哮 蜃気楼 どこまで行けるか 僕らは裸足で飛び出した 悲しみそっと 波に浮かべてゆく 遠くまで 転がっていく季節に 戻れないよ