「綴った言葉が不遜なら 素も知らぬ誰ぞに晒されて」 「育った所が不遇なら 上をゆく不遇に妬まれた」 「思った全てを噺しても 端の不揃いだけ切り取られ」 「走った軌跡を誇っても 走らぬ余所者に詰られた」 世の定め永久に さあ寄った取った切った貼った 空騒ぎ かごめかごめ この美しき 嘘に焦がれて幾星霜を 囲え囲え その裏側に 御代の忌事をひた隠した 籠女 「叱った子供が子供なら 見て見ぬ振りをする親も親」 「罹った者から咎とする 心を蝕む流行病」 至って変わらぬ見てくれに 目を引くは頭の竹の籠 ちらっと覗くその眼に 映るは遠き未来の姿 この定め永久に さあ丁か半か天か人か判らない かごめかごめ いついつ出やる 合わせ鏡のあの人は誰? 例え例え その裏側に 何が棲み着いていたとしても 籠女 見えてしまえばもう終わり 二度と逢えぬか あな寂し かごめかごめ 嗚呼恨めしき 嘘に絆され死なば諸共 誘え誘え幽世の淵 未代の忌事をひた隠した 籠女