毎年のことながら憂鬱と躍動が ひしめき合ってもうすぐ夏日を 連れてくる 涼風がちょっと恋しくて 朝日が早くて起こされて 熱がぎらり、水をさらり 潤した 半袖の隙間から見える焼けた 腕伸ばしたら 汗ばんだ君の顔 その目には何が映るだろう 夏めき 夏めく 焦がしていくこの街を 太陽が 独りよがりに全部さらっていく もうこんな暑さは来ないでほしいと 思っているけれど 煌めき 煌めく 空の青さ 眩しすぎるせいで このまま地球は燃えてしまうのかな それも悪くないな 夜半の語らいでも時間は止まらない 泡を注ぎ足し乾かせば口も回ろう 飲めや宴の大騒ぎ 話の種に馬鹿笑い 木々がゆらり、風がひらり 吹いていく この夜もあの夜もすべて どこかで光っている ビルの灯りはまるで蛍 記憶重ね、夏よ。 春風 雪解け 大人になってからも 節目にはこうも情緒が 揺さぶられていく こうして巡る季節の中で君は遠く 行ってしまう 明日も 来世も 祈っている 晴れ渡る空を 風情がないほど暑いのはやめてくれ まだ半分だから 夏めき 夏めく 駆けていく君のように 太陽と共に暑苦しく生きていく ああ どうにも我慢できずに服脱ぎ 捨てて 飛び出したいけど 煌めき 煌めく 空の青さ 眩しすぎるからさ このまま地球と燃えてしまおうかな それも悪くないな アスファルトの上に落ちる影と 夜空に上がる花火 今年も胸焦がれ、心踊らされ 夏よ、夏よ。
