昔々あるところ 聡明な少女がおりました 自身の幸福を投げうって 他人の幸せを引き寄せました 金の糸剥がし 瞳すら捧げ 光の射す世界を求め ひたむきに祈り 足跡巡る 理想郷を探して この旅の行く先の果てはあるか 哀しみを苦しみを連れ去りたい 厭わない たとえ何度も 傷つこうとも 血を流せども この星の瞬きを夢を見るか あの天へ届けると誓いましょう 為すべきそれは正に慈愛 彼女の名は利他 南へ飛び立つ燕達は 広く街を見下ろして 歌い囀りて希望恵み 少女の花歌と共鳴させる 誰よりも願い 輝きを与え 心の貧しさを憂いて 海原のような優しさは 時として闇夜を暴く あの声の行く先の果てはあるか 哀悼も悔恨も乗り越えたい 何処までも 尽くし続ける 引き裂かれても 命絶えても 祝福を鏤めた風を泳ぐ 蒼の月囁いて海を駆ける 純潔であれ 尊きものよ 幾千の想い 奉るその意志を継ぐは誰か 闘いが別つ日を見守りたい 亡骸になったとしても 涙を燃やし 未来へ続け 孤独とは満ち足りることは何か 囚われた鳥籠の羽根を棄てて 心臓鳴らし 息を切らし 救いを印した この旅の行く先の果てはあるか 哀しみを苦しみを連れ去りたい 厭わない たとえ何度も 傷つこうとも 血を流せども この星の瞬きを夢を見るか あの天へ届けると誓いましょう 賛美を賜う正に慈愛 彼女の名は利他
