貴方に出逢って 助けて貰って 恋に落ちました 近づきたくって この町にゅるっと 紛れ込みました 憧れの彼の人は 友達に囲まれて 私など入れない いつも遠くからずっと 見つめるだけなの 鳥居の向こうの箱庭じゃ 誰も化ける事が上手過ぎて 異性(オトコ)の前では猫かぶり 乙女の皮被るケモノ達 紺々鳴くのは 化け狐 嗚呼 構って頂戴 私だけ 微風 癖っ毛 ゆらゆら踊って 目と目合いました 私を奪って 今直ぐ攫って 駆け落ちしたいの 恋文を認めて この想い伝えたら 手を取ってくれますか? 頭で来るり繰るり 廻る恋模様 理想の女子に化けましょう 其れは似せ者・偽物じゃろか? 貴方の色に染まるならば 輪廻転生も悪くないや 紺々鳴くのは 化け狐 嗚呼 気づいて頂戴 恋心 「人間の女ってぇのは好きな 男の好みに合わせていくらでも 化けられるんだねえ。 狐のあたしなんかよりもよっぽど 変身が上手なのさ」 御神籤の”待ち人”は「来ん来ん」 と揶揄えど 玉響に撫ぜてゆく秋が 何処からかきっと 赤い実結ぶの 鳥居の向こうで胸焦がれ 私 化ける事が下手過ぎて 異性(オトコ)の前では耳が立ち 尻尾も隠せない有様よ さあ 理想の女子に化けましょう 其れは似せ者・偽物じゃろか? 貴方の色に染まりましょう 輪廻転生も悪くないや 紺々鳴くのは 化け狐 嗚呼 構って頂戴 私だけ 紺々鳴くのは 化け狐 嗚呼 貰って頂戴 私だけ
