ダーティハリーの唄うのは 石の背中の重たさだ 片目をつぶったまま年老いた いつかの素敵な与太者のうた その昔君にも 生きるだけで せいいっぱいの時があったはず あげるものももらうものも まるでないまま 自分の為だけに生きようとした 唄う僕は汚れた歯ぐき ルームクーラーの 湿った風をかじってる 夕べあの娘は最後の汽車で 南の町へ行ってしまった 夢はなかったけれど 時には泣きたい程優しかったよ 僕は夜のスカートに首をしめられ 塩っからい涙流してる どうして君は行ってしまうんだい どうして僕は サヨナラって言うんだい どうして君は サヨナラって言うんだい どうして僕は行ってしまうんだい こうしてにんじんみたいに 手足をはやしてると まるで何もかも 悲しいみたいだよ ふられるだけふられちまえばいい 使えるだけ命使い果たせばいい 雨みたいに無邪気になって 何もかもぬらしちまえばいい いつもの屋台じゃオヤジさん 今にもこわれそうに笑ってみせるよ そのうち みんな 昔なつかしい おじいさんになってしまうのかね