Track byみとせのりこ
それは海つ神の 凪のまにまへと 継ぎ告がれる 神語り 飛沫く泡沫濁る 海に揺蕩へば 舟の底を揺るぐ 波の音 禰ぎ仰ぐ由良の 曳いて拐う汐の 潮の裳白 御代シロ煉ぐる 泥む黄昏の 茜朱を弔へば 沖のあわい 揺れる腕 名残る漁火の 埋みなぞらへば 和の霊を 潤う 海の根 由良の縁結ひ 霧 薙ぎて 尊び 捧ぎ唱ぐ 震ふ虚の魂 それは遠い わたのそこのみたま 深い昏い 深淵に解け逝く 己の躯 己が肢 人魚の聲 人形の吟呻ふ それは遠いわたのそこに沈んだ ナギの聲