藍碧の夜天 注ぐ 淡き月光が紗した夜の窓辺 映かぶは繊細く 晧き横顔 凍る夜露は 穢れなき水晶を纏わせる 夜を統べる銀の冠 神に依りて授かりしもの 気貴きその瞳はただ 満ちて耀ける綺羅の如 月は静謐かなその まなざしで 冷たい闇の垂帳を投げかけるの 私は声もなく 立ち尽くした ただ 瞳 閉じるだけ 幻惑の淵 天に架かる美しき瞳を厭かず見上げ のばした指は空を彷徨い 希いは遠く どんなに嘆こうとも届かない 尊きその才と叡智 白き君と讃われしもの この身を刺す悲しみさえ 御身耀かす糧となれ 月は凍てつくその 微笑みで 冷たいアイの言葉を繰り返すの 私は夜の底 跪いた ただ 月が 照らすだけ 月は慈悲なきその 微光以て 無情の真実だけを与え給う 私はひとりきり 立ち尽くし ただ 泪 流すだけ