帰り道 繋ぐ手は もう 溶けだして 濁ってく あと少し もう少し ゆっくり歩こうよ どっかに落としてしまった 小さな花に 気付かないままで 大人になっていった気がしたんだ 縋る日も 僕の名も もう 昨日さえ 君に無い 空のまま 歩くには 季節は早すぎて きっと今日は大丈夫 なんて嘯く 真っ白な部屋の片隅は今日も雨 「どうもはじめまして... アナタは誰ですか?」 謝ろうとした息を窘める 「大丈夫、いつか わかる日が来るから 今は おやすみ」 「忘れないで」と願うほど 遠くなる気がしてしまうから 何度も繰り返す はぐれていく君の 手を繋ぐ為また迎えに行くんだ 穏やかに 緩やかに そう 確実に 朽ちてゆく 傍らで 日々を騙す 余りに愚かだね ずっと綺麗なままで 風に揺蕩う いっそこの空ごと 落としてしまえたら 「あぁ、そうだ 今日はきっと 喜ぶと思って 小さいけれど綺麗な花束を 見つけてきたんだ 窓辺に飾ろうよ」 色褪せない様に 「もう来なくていいよ」なんて 涙目で言われても困るよ どうしようもないほど 僕は馬鹿らしい 戯けて君をまた泣かせてしまうの 目を覚ますまでに 涙は止めるよ 君が僕を憶えてなくたって いつまでも 此処で 何度でも 始めよう あの日のままで 進めない扉の前で 一緒に止まれるなら幸せ 終わりが在るなら 回り道してさ 手を繋いでゆっくり歩いていこうよ いつまでも 僕等だけの朝を もう一度 おはよう