「僕は長く生きてしまったと思う」 そう言って俯いてそうして泣いた 生まれながらの道化師は 多くの人間を騙してきた 敷かれた線路と 劣等感半端な矜持を傷つけながら 然有らぬ躰を為熟せば 誰からだって疎まれない 縦横無尽な表情筋 「破顔の仮面」は厚いまま 馬鹿みたいに燥いでいた 彼奴はもう雲の向こうで飛んでいる されど、何一つ変わることはない 渇いた都市も省みない僕も 何だか哀しくなったんだ 全て虚しくなったんだ 脳に喰いつく病に堕ちてゆく ただ感じなくなったんだ 蕩けだした感覚 まだ「間違い」を抱きしめながらさ この河を下ってゆけば 何時か海原へと続くと思っていたが 流れは止み、霧は立ち 一寸先は何処へやらで 減点法の世界では 外へ踏み出すのも億劫で 言葉の剣と鋼の意思を持たぬ僕は 差し詰め魯鈍の蛙 何かを失くす恐怖に 耐えられず捨ててしまう位なら 何も望まぬ方がいいのでしょう そんな暴論、吞んでしまうほどに 腐っていた僕は 哀しくなったんだ 全て辞めたくなったんだ 声にならず、嗚咽が漏れてゆく また分からなくなったんだ 没意義なる循環 ただ、当てもなく流されんのならば 自己顕示も自己嫌悪も 何もかも何処までも糧にすればいい 微かに残る熱を覚え 闇空が白くなってゆく 祈っています この想いが途絶えぬように 祈っています 清く正しく病めますように 祈っています 明日くらい晴れますように 祈っています まだ・・・ 「僕は長く生きてくんだと思う」 そう言って俯いてそして・・・