何にもないよ ただ下を向いても 悲しくなって また嫌になるだけ 幸せだった あの日の私たちは 夜の奥に消えて行くだけ 何でもいいよ ただ話したいだけ 怠惰な盲点 まだ気づけないまま 全てを知った あの夜の温度さえ 朝靄と共に晴れていく 花火も 星も 月も 照らせぬ程 暗く深い あの夏を指でなぞる この感情全部歌にしたって 息もできない儘崩れ落ちた 私とあなたの未来とか 儚い恋の行方とか 短い夏が全て奪って 偶然だけを三つ数えて 出逢えた一つの幸せを 悲しみと呼んだんだ 何でもないよ ただ呼んでみただけ 甘酸っぱくて もう戻れないけど その目をずっと 見つめてそっと 唇重ねてキスを 色づく秋を啄んだ 恋 ゆらり 香り 瞬いて 濃い 青い 深い 思い出す 声 故に 袖に 折をつけて 明け方の街で一人 この煩い日々もいつか終わって 嫌いな季節を思い出せたら 懐かしくなってしまえたら 止まない雨も笑えるね 短い言葉だけを残して 見えなくなった綺麗な声が 胸を締め付けてしまうから 声も出せぬまま泣いた あの時見た景色は 夜明けの街で朝を呑んだ 形だとか 重さだとか 忘れたい事ばっか思うの 孤独な夜を縫って この傷も癒してしまえば それでもまだ 悪い夢 止まない雨 消せない夏を結う日々 感情全部歌にしたって 声も出さないまま泣いてたって この歌もいずれ終わるから 揺蕩う日々を描いてる 悲しみが今目蓋の奥で 見えなくなったこんな私を 夜明けの街が慰めたら 貴女は笑うだろうか