綿菓子を貰ったあの日芝居小屋の 片隅で君を見ていた 少しかじると君と そっくりに優しい味に包まれた 色とりどりのお話 どれもとても素敵で いつまでも見とれてた 気が付くと綿菓子を くれた君の側まで すっと寄せられて 「もし手を繋いだら 見えなくなってしまうよ 僕のお伽話は それでもいいのかい?」 君が聞くから「戻らない」と言った 舞台裏やアトリエ 沢山見せてくれて 本当の名前で呼ぶ 秘密がなくなる度 お伽話の君は 現実になって 夢を見せる君の優しさはきっと 甘いあの綿菓子だね いっそ夢が覚めた私が愛すのは 舞台降りた君 私には見えない彩りの絵本を 今日も君は語り聴かせる 少女達が群れては お伽話の君に 酔いしれてゆく 私に成り代わりたいという人は きっと後を絶たないでしょう 夢は少し離れたところからしか 本当は見えない そう 手を繋いだら 見えなくなってしまった 君のお伽話は だから私、愛すのは 舞台裏で紡ぐお話 そして 私 君の物語になって 居られたらいい