繚乱の千夜一夜 桜人らの永遠の恋 束の間 愛しき逢瀬 また一年忘れまい 上弦の月を浮かべ 頬にさらさら夜風吹けば 君のたより 今年も届き 始まり告ぐ 恍惚の春 髪を撫でる君の指 挿頭草一枝留めて 仄り甘い薄紅の 接吻に花弁開く 儚いほど美しいと… 夢はいつもそう在ります 貴方には夢を魅るから 泡沫でも構わない 満開を迎う満月 誘い契る色を密かに 恥じらいに惑う十六夜 夕べよりも染まりしか 花明かりが眩しいから 一切の明かりを消して 密やかに 移り香を 忍ばせて酔わせませ ひとときでも長く、永く 君の側に留まりたい 繚乱の夢は七日 それが覚めぬならば 別れ行くその時こそ どうしてそんなに優しいのでしょう だから…何度でも 逢いたいと想うのです 下弦の月 出づる頃は 花散らす涙雨 「泣かないで」と云う様に 鮮やかに舞って魅せた 儚いほど美しくて 君は夢として在るのでしょう 幾重にも交わす契りどれも忘れない 私は桜人…