窓も扉も無い 暗い部屋の真ん中 机の上 ぽつり灯る 明かりと一冊の本 「ここでは数多の御話が 一目で分かるように 並んでいるよ 好きなのを 覗いてみてよ」 一つ目のテーマは 言えない言葉と想い 二つ目は旅路の果てを探しに行く唄 「貴方の目に付く 物語はあったかい? その章へ ページをめくってごらんよ」 近くて遠い距離に 憂いて怯えたこと 汚れた靴が何故か 誇らしく思えたこと すれ違う人の数だけ 見えている世界があった 自分だけの解釈 蒼い星が照らすよ 日の当たらない部屋 迷い込んだ先 出会えた 目と目で ちゃんと解り合いたい 「さぁ どうぞ どんな物語がいいかな?」 始まりの部屋の 貴方だけの案内人 終わりに向かうように ここも残るは僅か 「訪れた迷い子 送り出してあげよう」 「そろそろ灯りが消えるだろう お別れだ また会える日まで」