ああ また打ち寄せる波の音 ああ ただ聞こえないふりしてた ああ まだ空に響く朝日が あたたかい あたたかい 誰もが此処に居て影はひとつだけ 浮き足立って 日暮れを待って 濡れた手で掴んだ雨 溶けてゆく、跡形もなく 今日も項垂れて あなたまで、見えなくて、 どうやって 歩いていけるの? そっと波に預けて、 青に混じる ああ まだ覚えてる君のこと ああ ただ夢に見るだけでもいい 身体が形を変える前に あいたいよ、あいたいよ 気付けば底にある影に浚われて 善し悪しなんて分からないままで 濡れた手を掴んだ手が解けていく 離れていくのを今日も 夢の中で泳ぎ疲れて見送る 見えないよ、あなただけ この海はひとりで渡るよ 波に預けて 袖を通して 肌に張り付いた水がかわくまで 夢の中辿り着く、 砂の数ほど描いた明日を 「独り占めさせて」 なんて望んだ覚えはないよ いつかまた混ざり合う? そっと開いた指で今も 砂に描いて擦ってるよずっと 青い波が消し去ってもずっと