咳き込むように風が吹いて 聞こえない声 果てた夕映え、照り返して 聞き返すのも躊躇っているよ 「途方もないね」 近づけやしないほど伸びてく陽炎 掴まえにゆくよ 忘れはしないだろう 瞼に霞む、 静かに笑うあなたを 半透明の手鏡を覗き込んで 切り取った空 持ち寄った影法師、重ね合わせ 拉げた日々と絡まったままで 離れない手 もう解けてしまう魔法 新しい風と並んでゆくよ 隠れて仕舞っても 僕は変わらずこの目に映るあなたを 捉えたまま やっと、触れられるなら 繋ぎ止めるんだ見失わぬように 思い出せるように