腐ったまま錨を上げて 星の子に言われるまま乗った 「あの光は勝手に落ちたのだ」 哀れみが来た道から追いかけてきた 私じゃなきゃいけないか? 今、誰か泣いたな 月影にぐらぐら一瞬見えた火が 焼き付いて窓に残ってしまった朝 迎えに行かなきゃ 何回目の舟の上 聞き忘れていた 君の正体は とても良い話の後に どうでもいい心の外にいた 雷か火球が落ちたのか 急がなきゃ誰も 気づいてくれなくなる 今なら 宙域の舟がきっとまだいるだろう 君じゃなきゃいけないか? 今、誰かがいたな 身投げしたらまた会えるから 話そう また話そう 悲しくなんかないから 篝火ぐらぐら反射する海の上 ひとりで浮かんでいた 舟旅ゆらゆら枕の裏側待ち伏せて また見逃してしまったな お帰り今何万回目の舟の上 聞き忘れていた 君の名前は