夜風に誘われるように ひとり目覚めて 今日もベッドを降りる 揺れるカーテンの隙間から 零れる水色の月明かり 憂鬱を染み込ませた 絨毯に寝ころんで 読みかけのページ開いても なんとなく上の空のまま あの頃の 夢のつづきを忘れている 枕の下には願い事がいくつも いつの日の 落ち葉の栞 はらはらと グラスに残ったままのワイン あきらめた 小さな泡が浮かぶ かすかにきこえる虫の声が 奏でる静寂とメランコリー 涙を吸い込んだ毛布がつめたくて 恋人のなまえ唱えても くちびるに白く煙るだけ もう少しこうしていたいの やわらかいこの風に揺られて 夜が明けるまで この部屋に あなたがいても いなくても