あなたもわたしも今を泳ぎきらねば もともと自由な一匹の魚だったはず あんなに優しく美しい物語の 始まりを深く暗い 海に沈めてはいけない 波に逆らったり荒れ狂ったり 身をそらしよじり甘え もがき泣きじゃくっても 乙女の祈りにわたしは決して いどみかかるほど 汚れたくないのです 恋というにはうしろめたくて 愛というには行き場がなかった 折り重なる堕落の果てに私は “希望”ただそれだけを 見つめていたのです 苦しすぎるよね悲しすぎるよね 死にたいよね生きてゆけないよね こんなに互いが互いを試しあっても いとおしく叫ぶ声だけが真実だった <♪> 暮らしにまみれ豊かさの裏側で どうしても忘れきれぬ 事がひとつだけあった 忘れきることは罪じゃないけれど あなたもわたしも 明日を嫌になって いたのかもしれないね 一人だと認めるにはやりきれなくて 二人だと思うには許しきれなかった あなたの無言の 丸い背中を抱きしめたら わたしがわたしでいることを 忘れられたのでしょう 恋というには物足りなくて 愛というにはせつなかったから わたしの胸の中で たとえほんの一瞬でも あなたがあなたで いることを忘れられたのでしょう だからあなたの傷口に今わたしは わたしの傷口に今あなたが そっと触れ合いくちづけをしよう 永遠にあなたとわたしで ありますように 永遠にあなたとわたしで ありますように