揺れる 懐中電灯と君が 静かに溶けだす 気付いたら逆さになった夢の中 暮れる 今日はもう眠れないな また夜を逃す 夕に染まる街 壊れた傘を抱いて俯いた 君によく似た後ろ姿だった さあ 君がもし 明日を汚すのなら 焼けるような 日々も変わってしまう 意味も無く存在を確かめては 夕闇に声が響いた 映る景色も いつか散ってしまったら 僕の存在感なんて ばらばらになってしまう 回る焦燥と夏の噂 今も忘れない 思い出してむなしくなっちゃうな 曖昧に笑って今日を誤魔化した なのにどうして 声は小さくなっていく 僕がもし 明日を望むのなら 褪せるような熱を奪ってしまう 我儘に振り回すことだけでは 困らせるだけだ わかってる どんなに言葉をまとっても 結局薄っぺらい僕のままだ 咽るような夏が嫌いだった 早く夜になれと願っていた 味気ない程、日々は無邪気に終わる さあ 僕等もし 明日に背を向けたまま 眠れたら幸せだったかな 夜を待つ夕闇の底に落ちて さよならも言えず ただ手を引いていた いじらしい日々だった