くらい細い道を見つけ 歩き出してみる 渇きくずれ落ちた街が 今も燃えてる ここなら とても良く見える 手には何も持たず 兆しだけを感じて 穴の空いた帽子へ 吹き抜ける風には 光と闇の こげる匂い ところかまわず 突き上げる気持ちは 何かを遠く かすんで見せた 思えばすでに 渇きはじめていた 明日も同じ 道の上 歩いている 影と どこかへ 雨がみぞれに変わり 雪になって溶けても うちとけた気配は こぼれてしまう とまどいながら 踏みしめて 駐車場の壁の 落書が笑う 読み取れぬ文字は 何も教えないけれど 街が消えたことを 告げる ところかまわず こみ上げる気持ちは 何かを遠く 運んで消えた 水たまりから 立ち上る煙は 明日も同じ 路の上 歩いている 影と どこかへ 求める街に 疲れはじめていた コトバのための コトバを拾い 思えばすでに 渇きはじめていた 明日も そして いつまでも 歩いていく 影と どこかを 会ったこともない人へ 見たこともない人へ 会えたこともない人へ