「ごめんくださいお聞きしても 良いですか? 君の過去はここのお店で 買えますか? 僕の未来君に売るんで そのお金で過去をください」 地球は回っていて 時間が経てば コンマ1秒の今も過去に変わる 君が彼女になって 長いはずなのに 出会う前の君がどうも 見えないんです まぁ、幸せかって聞かれたら そりゃ幸せに決まってるんですが 持ってないものが多いのは辛いので 君の記憶が並んだお店に来ました 「ごめんくださいお聞きしても 良いですか? 君の過去はここのお店で 買えますか? 僕の未来君に売るんで そのお金でどうか 過去をくださいな」 「ごめんなさいここにあるのはあ るんですが あいにく 非売品となっておりまして」 君が険しい顔でそう言うから 宝物なんだと思った 地球がなくなろうと 時間は残る 出会う 前の君もどこかにいるはずです まぁ、愛してるかって聞かれたら そりゃ 愛してるに決まってるんですが 常備してた君の愛もすぐ切れるので 君の全部を先買いしにきました 「ごめんくださいお聞きしても 良いですか? 君の過去は何処のお店で 買えますか? すでに生産終了ですか? 入荷予定はないんですか?」 どうやら話しててわかったことは 君の過去は当時そばにいた 人のもので どんな億万長者でも 買えないらしいんだ それなら 「ごめんくださいお聞きしてもいい ですか? 君の現在はここのお店で 買えますか?」 「ございますよ」と笑って君は 僕に優しくキスをした