エラー音が煩く鳴り響いている 脳裏に散弾銃を突きつけて 未だ見ぬ世界の果てにエスケイプ 怪物は今日も独り唄った 「退屈な日々を抜け出して この狭い世界の正体を見たい」 だが、怪物はずっと独りだった 故に淋しさなど知らずに 仄暗い未来に生を描いていた 筈だった 突然現れた貴女の優しさに触れた 所為で 僕の心はおかしくなったのだ! ねぇ愛してくれ、この身も心も どうか解っておくれ、 有り触れた願いを そうして破壊してくれ、 この檻の鉄格子を 終わらない様な物語を 魔女は云った 「お前の人生は二千年後も 続いていく 時が経って孤独に飽いたって 愛と呪いの狭間で揺らぐ」 学者はこう云い放った 「君は人間様に為り得ない 証明は造作もない」 って鏡を突き付けた だったらこんな僕をどうして 君は抱き締めてくれるのかって 聞いても答えはいつも不鮮明で 笑っているだけ この心を喰らう傷創が 癒えるのならば 貴女なんて居なくなってしまえ! 僕を嫌っておくれ、この身も心も どうか奪っておくれ、 有り触れた願いを いつの日か僕の手から君が消えて 哀しみに暮れる前に このストーリーにエンドマークを エラー音が煩く鳴り響いている 脳裏に散弾銃を突きつけて 君がいる世界へ いつしか君が去って時が経っても 痛みは消えなくて それでも僕の皮膚や五臓や脳は鉛を 通さなくて 明日、 目が覚めて貴女が居てそれだけを 願っている この狭い世界の正体は『 』 ねぇ愛してくれ、この身も心も どうか解っておくれ、 有り触れた願いを そうして破壊してくれ、 この檻の鉄格子を 終わらない様な物語を 怪物は今日も独り唄った 「退屈な日々を終わらせて 僕の人生にエンドロールを」