むせかえるような大都会 渋谷駅 フラミンゴ 薄暗い通りで脳内が吐き出した エピローグ 「傷つかず生きるのは 本当に難しいね」 「それでも」って君が 言ったからだまされてみたのさ 或る朝目が覚めて 窓の向こう飛行機雲 その端を指でつかみ 僕を遠くへ連れっていって 明日は外へ出よう 知らない場所へ行こう さよならも涙も見たくないから 目をつむったまま 午前0時 逃走 月明り 張りぼての影法師 夜風に揺らめくライラック 左腕に注射痕 暗い映画はきらいだったのに世界は 残酷だ 涙するほどの喜劇を 教えてくれないかな きらめく夜の向こう 星はかき消されても ビルのそばに見える三日月は 本当にきれいだった 誰もいない病室 君はおどろくのだろう この心一つ君のものだ わかってくれるかな 動けない体に集る灰色の顔の天使 君という光に出会えて 天国みたいだ 明日は何処へ行こう 何も見えなくても あの雲が遠いことくらいは 解っているんだよ 君と出会った病室 子供のころの夢とか ひとしきり集めて連れていくよ 路地裏の隅で 100年後 僕の頭に桜の花が咲いた きっとこの街の全てが 花束なんだろうな