夕日が遠く沈んだ 街を焼き尽くすような茜色 このまま全て終わっても 別に構わない そんな気がしていた 街を全て見下ろした 一番高い塔の上から 吸い込まれるような街並みと 遠くに見える海の音を聞いた 生まれた街の灯もきっと こんな優しい光だった いつからか僕らは それさえ忘れてしまった 冷めた頭を流れるように 思考はとめどなく巡った いつか零した光をまだ どこか探さずにいられないでいた 夜の帷が下りても 街はまだ眠らないままで 誰かが溢した溜め息や 孤独を糧に蠢いている 街を見下ろす鉄塔が 雲の上で輝いている 首が痛くなるほど見上げた 手が届くと信じていた 枯れた声で未来を叫んだ 視界はどこまでも暗かった 迷いも不安も僕の全部 その音で掻き消してほしかった 置いてきたもの全て いらない訳ではなかったけれど 何も持たない方が 高く高く飛べるような気がしたんだ 冷めた頭を流れるように 思考はとめどなく巡った いつか零した光はまだ 僕の足元で瞬いていた 錆びた弦で過去を鳴らした 光はまだ手の中にないけど 溢れた水が戻らぬように いつか全て失ったとしても