少年は今日もパン屋に並んでいる。 先生の夢の話をたくさん 聞くために。 少年は今日も公園へ向かう。 フランスパン、フニョイスキー、 気づけば日課に。 少年の脳内に現れる デジャブの琥珀のくじら。 まだ出会ったことがないのに、 どうして。 少年は 嬉しそうにくじらの話をする。 先生は何か言いたげ。 ついに僕の夢に現れたんだ 電球の海泳ぐ琥珀の鯨 先生の夢から 僕の夢へようこそ 嬉しくて(まさか) 涙が(だめだ) あふれつづける朝 夢を見てはいけない これは嬉し涙じゃない (色褪せた日々に差し込む) 奴がお前の心を (淡い光、僕を) 巣食いにきたんだ (救いにきたんだ)