朝、気持ちよく目が覚めた。 借りた映画が当たりだった。 飴玉ほどの幸せの発露。 口に入れたら溶けるらしい。 それでもいいとあなたは言うのだ。 調度品の数が二人の相談の数。 十畳の部屋、どちらかといったら 私の物が多いかな。 6:4ってところじゃないかな。 溢れないようにしていても 洗顔の泡のように手の隙間から すり抜けてしまうなら。 今日以上はないんだよ。 盲目的に信じてしまえたなら それでよかったんだ。 わかってないな。 私たちは比べてしまう。 青い鳥だけが飛べると信じたいから 。 冷蔵庫は半分こ。 お酒は共有財産だ。 だって、置いておく方も悪い。 面倒くさい酔い方も 二人ともならかわいいだけだね。 薄荷飴はきっとハズレではないんだ よ。 味と色味が幸せに似ている。 好きにも嫌いにもなれない。 でも、憧れて已まない。 忘れないようにしたいから。 取るに足ること、 足らないことの全て ちゃんと口に出してよ。 いつか、 急にあなたが見えなくなって 勿論、私も見づらくなって 幽霊になっていくだろう。 痛覚は残したまま。 惰性と呼ぶには甘くない日々が 私たちを飲んでしまうから。 その日まで、よろしくね。 ぽつぽつと荷造りをしていく。 私物と思い出をたかが段ボール数個 に詰め込んだら 隙間が目立つんだ。 私の分だけだろうから。 元から半分じゃないから。 あなたがいなくてもお腹は空くし、 きっと身体の方が正しいこともある から。 これ以上はないんだよ。 盲目的に信じてしまえていた。 それでよかったんだ。 今だってそうだ。 後悔はちゃんと残るよ。 嫌いになれない薄荷を舌で転がす。