急に浸かったらきっと痛いよな。 慣れたら出られなくなりそうだな。 そういうところまで似なくていいの にな。 ゆっくり慣れてしまおう。 まだ春の境目なんだ。 僕は、僕の話をしている。 君は、僕の話をしている。 返せるものは一つもないのに。 きっと貰ってばっかだったな。 歌なんて、足しにもならないが。 せめて君にはこれでいいか。 これから、 これからの話をしようぜ。 春の浴槽に浸かったままの僕らの。 きっと違うよな。 言ってしまうのは。 君ならわかってくれると思ったんだ 。 弱い部分とか、強がる癖だとか 目を背けてしまうんだ。僕ら、 よく似ているから。 僕が手を引っ張っていくから 君は足を引っ張ってくれていい。 むしろ逆になるかもな。 先に謝っとくよ。 してあげた、とか。された、とか。 邪魔になるなら置いていこうか。 こういう喧嘩の時は大体、 君が正しいから。 僕は、君の話をしたがる。 君は、君の話をしている。 遠慮なんてもの、いらないんだよ。 僕は貰ってばっかだったな。 嘘に聞こえたら、それでいいさ。 僕が勝手に返したいんだよ。 そのまま歩いてきてくれたらいいな 。 春の浴槽に浸かった足を出してさ。 僕が見せてあげられるもんは 毒も薬にもなりゃしないさ。 返せるものは持ち合わせてないよ。 それでも、 いつまでもここに居られないよ。 情になる前に突き放すんだ。 温い昼間に絆されないように。 嘘に聞こえても仕方ないか。 声なんて役にも立たないが。 この歌にだけ、必要なんだよ。 これまでありがとう。 話をしようぜ。 春の喧騒を攫った、 変わりたいと思ってしまった僕らの 。