夜明けの霧を待つ誰かの微睡み 抱える傷痕の痛みも忘れて 乱れた呼吸が耳につく闇の中 君を誘う夢が途切れた願いを 繋ぐのなら 閉じた瞼にある確かな形だけ見せて この手を伸ばしても醒めない幻 燻る月灯り…光が足りない 己の影さえ遠ざけてしまうほど 無垢な空を求めて 見慣れた世界を逆さにして いつか羅針盤が映した 歴史(みち)を知る 今は沈んだ砂礫の街… 極星の視えない煤けた森… 冬を留める氷の花…永久に眠れる 亡国の果て… 君が望んだ夢へ繋がる 扉はここにあると 続く足跡から無数の風を知る それは刻の彼方で明日を目指した 旅人たち 廻る羅針盤は新たな輝きを示す――