落書きのある壁を伝い 犇めき合うビルの隙間で 休むことない夜は笑う 腕に刻む蝶の刺青 白い肌の少女の瞳には 光が浮かんでは消える あだ名で呼び合う若者達の群れ 帰る場所を知らない 子猫のよう 路地裏の影に佇んでる 傷だらけの小さな天使 飲み込まれないように睨む人波 馴れない煙草に火をつけては 高いヒールで背伸びをして 太陽も知らずに 都会の片隅で 深夜のコンビニは 弱さを持ち寄る少年のホテルさ 地べたに座り込み眠る 汚れた靴 肩寄せ合う背中から 確かに見えた白くちぎれた羽根 十代最後の夏休みは 旅にでも出てみたいよと 色褪せた指輪に 口づける 「オモイデなんて求めちゃいけない ツライなんて口にはせずに ただ今日を生きたい 都会の片隅で…」 路地裏の影に佇んでる 傷だらけの小さな天使 夢を見ることから逃げなくていい 闇に芽生えた友情の後 一人きりに帰った朝は 淋しさと抱き合い 眠りに落ちてくの? 落書きのある壁を伝い 白い光が差し始める 君の背中にもきっと…