波の上 揺れるブイのむこう 青の船 向かう国はどこ 遠い騒音に つられた心の揺れ 触れずにいたことさえも 不安定な日々にも慣れた 傷にも封がされるように 近くでともる灯りが 白く汚れた傷に返る 砂の上 重い靴の跡 辿って 目指す小屋のむこう 思い過ごしに しばられてさまよって ふとしたら自由になる 塩のざらざら 絡まった髪を 手櫛をかけてとかした やわい吐息を思い出して そっと蓋を閉じようと 夕焼け 沈む光が いつにもないくらいに眩しい 追い風に押されて駆け出す 泥とにおいはそのままに 途切れない夢はそのままで 追いつけない それはそれで