AWA

かげろう

Track by帰りの会

37
1
  • 2024.07.31
  • 7:03
AWAで聴く

歌詞

眠らない朝をいくつか束ねて ポケットに詰めたら家を出よう ずっと切れっ放しの電球と、 壊した花瓶と、 あと、 あとなんだっけ 色褪せた日々に欠伸をひとつ 視界の端っこで幽霊がわらう 街はずれの路 拙い秘密を 隠すように過ぎる電車の音 君の形の欠片の棘が刺さる 傷を濡らした涙の紗幕を潜って 掠めた指先 気づいている? 「じゃあ、聞いて。 見ていろ、 今に夕日はぼくらのものさ。 世界でいちばんのオレンジをちぎり 取って リボンをかけたら、 大事にしまうんだよ。 さあ、暗くなる前に帰ろう。」 湿っぽい夜の微熱が冷めたら 足音を殺して街を出よう 「ずっとなくしっぱなしのものがあ るだろう。 探しにいこう」って急かす またひとつわらう 灰色 29時 泥だらけの靴 水溜りを踏む音がひとつ きみは明け方空を硝子に変えて 立ち止まる僕に割ってみろって言う 僕は映画を観ている。 ひとの居ない劇場、 フィルムが回転する音、 焦げた砂糖の匂い。 埃っぽい光を掻き分けて、 35ミリの記憶が逆さまに溶け 出していく。 街はいつしか氷のような灰色で、 神様が隠した夜はどこにも 見つからない。 顔の無い人々が行列をつくる。 ある朝、 君の手を引いて抜け出して 来たんだ。 スクリーンの中に君の姿を見る。 明かりのない灯台の麓。 真っ白な花を踏みつけて、 きれいな服を着て。 風を待つ綿毛のようなその笑顔を 見る。 色のない日々。 氷で薄まったジュース。 夕日の落ちる速さ。 出来るだけ目を 閉じないようにしていた。 それだけで充分だと思った。 エンドロールが終わる前に僕は席を 立った。 排水溝に砂嵐の音。 切れ切れの鼻歌を連れて歩く。 言葉はひとつ残らず 雨に沈めてしまえ。 長いあいだ、 僕らは水槽のなかに居たんだ。 びしょ濡れの寝室を抜けて、 太陽を盗みに行こう。 見ていろ、 今に夕日は僕らのものさ。 世界でいちばんのオレンジをちぎり 取って リボンを掛けたら、 大事にしまうんだよ。 それから、 少し遠回りでうちに帰ろう。 夜空を君にあげる、 世界のひと匙を掬って、 ここだよって、 遮断機のむこう 夏を纏った君が、 君が、 ひどく綺麗に揺れていました まるで陽炎のようでした

このページをシェア

帰りの会の人気曲

帰りの会のアルバム

帰りの会
の他の曲も聴いてみよう
AWAで他の曲を聴く
はじめての方限定
1か月無料トライアル実施中!
登録なしですぐに聴ける
アプリでもっと快適に音楽を楽しもう
ダウンロード
フル再生
時間制限なし