ながい夢のなかを僕らは泳いでいる 次の瞬きで忘れてしまうかも 知れない 知れないから 話せない事で鞄は埋まっていく 触れると痛いのは指先だけじゃない 悲しかった事も忘れていくから 涙も傷も乾く前に行こう 夜が息を止めている間 世界中の目を盗んで迎えに行くよ テレスコープ越しの空は 酷く狭いでしょう 眠る街を掻き分けて行く 僕ら夜に光を差す一等星 零れた言葉も 気付かないふりをしていた 夜明けまで 列車は煙を上げ星をなぞる 心を圧えるなにかを燃やして 僕らは思うより時間が無いから まだ冷めないうちに行こう 夜と朝のちょうど間 眩しいのは目をずっと 瞑っていたから 5ミリ方眼の世界で 僕らは何処までも行ける! 眠る街を見下ろして行く 僕ら翳る月夜を照らす彗星 誰にも見えない痛みを拾いながら 夜を越えて 眠る街を掻き分けて行く 僕ら夜に光を差す一等星 零れた言葉より遠くへ もっと向こうへ 夜明け前