この両の手に抱えられるもの その数も大きさも決まっているから どうしたって零れ落ちてゆく 僕がいっぱいに広げた指の隙間から 探しては捕まえて 求められては受け止めて そうやって押し出されていたのは 与えて貰えたもの 大切な筈のもの 水も砂も空気も優しさも あなたが持つ心すら 掴めやしなくて 置き去りにしてしまった あの時 落とした大切を 取り戻す為に振り返る 僕を作っているものは 愛された記憶 愛した記憶 僕が本当に 大切にしたいものはなんだ それはきっと 失いたくないもの 忘れてしまわぬように 溢してしまわぬように 抱きしめていよう 握りしめていよう 愛を伝えていこう その両の手に抱えられている 僕もきっと誰かの大切なもの