時代とは何の関係もなく 新しいテレビをののしって 道徳の屋上から 男は飛びおりた 親切もきれいにけとばして 絶望と希望の漢字までまちがえて 遺書を書き忘れたままで 男は飛びおりた だけど ところが 男は死なない 道徳の屋上とゆうものは 2メートル半だから ひらべったい靴をはいて飛びおりる 昇って行くように 非常識に昇るように ひらいた顔のマストに 空意識を張って 不条理な道徳の屋上 両手をひろげて 着地してから 男は気がついた ここも道徳の屋上 だから毎日 男は逃げられない 道徳の屋上の広さのうえで 40センチ飛びあがる
