言葉の端に咲く訝しさや 恨めしき記憶はお互い様 恐るゝに足らぬが今際の際 咲き誇る姿が嫌いで仕方ないの 一輪の花が芽吹いたとして 銀色の景色に春は彼方 その小さな花が枯れた頃に あなたの言葉が毒と成り私を穿つ 春風に乗って露と入水に消ゆ 椿の花は綺麗な尽 甘い匂いに呪われて 私は瑞花の下 天使になった。 春を奪った悪魔が囁く 白く染まった椿の夭逝に 駆られた頃にいらして 感覚の無い指先で解く縄 焦る呼吸は一縷の白 雪の下に嘘が咲いた椿通り 朝靄が彩る今際の際 しのぶれど袖だに乾されず鮮 明けぬれば暮るるは知らぬが花 打ち明けぬ私が嫌いで嫌い 人知れず去って天使になった。 一人でそっと雪溶けを待とう 本当はちょっと悪魔の姦計に 気付いて駆けて欲しくて 雪は排水に消ゆ 椿の花が落ちた頃に 甘い匂いに呪われて 私は瑞花の下 天使になった。 春を奪った悪魔が囁く 白く染まった椿の夭逝に 駆られた頃にいらして