なぁ、俺の鳥はまだ歌えるか 俺は15歳の世界線の上に沿って パラレルに 平行線走るバイパス道路から 見下ろした瞬間 見上げていた少年と 目が合った気がした どうってことないことには 思えなかったんだ 「なぁ、 きみの鳥は今ちゃんと歌えてるか」 15歳の俺にはきっとそれ以外は どうでもいいことだった あぁ、まるで大人になるのが 悲しいことみたいじゃんか 歌うってどんなふうに 笑うってどんなふうに していたんだっけな 忘れちゃったな 飾って そのまま忘れていた 大好きなレコードとポスター いやどうなんだ 大好きだったのは間違いないが 今でも、って 思いたいだけかもしれない どうしようもないのに 寂しくなかったんだ 「なぁ、 きみの鳥は今ちゃんと歌えてるか」 もう答えは出てそうだ 吐き出したタバコの煙の向こうに ららら なぁこれが大人になるってことでも ないんだろうが 俺はこうなっちまった 恨まないでくれよだけが 煙のこっちで やけに響いた なぁ、俺の鳥はまだ歌えるか なぁ、俺は今もちゃんと生きてるか 馴染まない歳をとった身体 馴染まない歳をとった心 それを使い切ることだって 少年は歌ってたっけな 「なぁ、 きみの鳥は今ちゃんと歌えてるか」 あの頃と違う俺は あのレコードと違う声で歌った あぁこれが本当の声なら それでいいんだろうぜ 俺が嫌いだった俺は 嫌いなまんまで俺を見つけ出した あぁこれがちゃんと生きる ってことになるみたいだ 歌うってこんなふうに 笑うってこんなふうに していたんだったな 忘れないぜ あぁ俺は今もちゃんと歌えるよ
