わたし なんにも知らないお姫さま 倖せなだけの季節 パパとママに甘えて眠るだけ ミルクに星を浮かべて もしも そうよ 目の前に 王子さまが 現れて この手にくちづけても ね 言って差し上げるわ "ノン!" ダーリン あわれなダーリン あなたのものにはなれないの 星はまるで千の鈴 それをうつす川には舟が すてきだけれど やだ、あなた 見つめないで やだ、あなた 抱かないで やだ、あなた さよなら あなた 言って差し上げるわ "ノン!" はじめに恋をした男の人 まるで春のような人 二人めが夏で 三人めは秋のようにさみしげな人 みんな そうよ やさしくて 夢ばかり 語るから わたし 妙にくやしくて 言って差し上げるわ "ノン!" ダーリン あわれなダーリン あなたのものにはなれないの お泣きなさいな ここで うずめる胸は 貸したげるわ でも それだけよ やだ、あなた 見つめないで やだ、あなた 抱かないで やだ、あなた さよなら あなた 言って差し上げるわ "ノン!" ある晴れた朝 急ぎ足のわたしを呼び止めた人 とうとう現れた わたしの人 冬のように冷たい人 この部屋に 押しかけて 脱いだコートを 手渡され そこからは 覚えてないの なぜか 言えなかったの "ノン!" ダーリン あわれなダーリン あなただけは ほっとけないの ひどい目でにらむのね もう なんにも言えなくなるわ あの一言も やだ、あなた 見つめないで やだ、あなた 抱かないで やだ、あなた 好きよ あなた なぜか 言えなかったの "ノン!"