夏、幽霊になった バス停、君を待った ちらり風鈴と喧嘩した 夕の風が吹いている 僕には声が無いんだ 右手は頬を透いた 君が振り向いた想像を ずっと空に描いている なんて、我儘だ 去ったことばかり 影を追ってしまうのだ 後悔が悪戯に胸を立って歩いた 抱いた夢ばかり いつも消えてしまうのは きっと幽霊が持っていった所為だと 言い張っておいている 夏、幽霊になった 何処かで鐘が鳴った 暗い街灯が付いている、 夕の雨が降っている 言いたいことは無いんだ あの場所へ行きたかった 秘密基地、駅と高架下、 夕間暮れの通学路 そんな、我儘を 吐いた嘘ばかり 胸を裂いてしまうのだ 単純な事すらも何も見えなくなった 咲いた花でさえ いつか散ってしまうのは きっと幽霊が摘んでいった所為だと 言い張った声がした 朝も、夕も、夜も 君の姿を追っている幽霊だ 追っている幽霊だ 去ったことばかり 影を追ってしまうのだ 後悔が悪戯に胸を立って歩いた 抱いた夢ばかり いつも消えてしまうのは きっと幽霊が持っていった所為だと 言い張っておいている 夏、幽霊になった バス停、君を待った ちらり風鈴と喧嘩した 夕の風が吹いている 僕には声が無いんだ 右手は頬を透いた 君が振り向いた想像を ずっと空に描いている