集めていた 絵の後ろに埋もれていたのは いつの間にか忘れていた この目で見えるもの 頬杖ついたあなたの声で 埋もれていたんだ 忘れていた私の当たり前 今ここ 形のない怠惰の後ろに 溶けていたんだ うそぶくあなた描いて この手で仕入れる鼓動 他愛もない会話の後ろに 漏れていたのは 薄めた慈愛とその旨抑える挙動 片づけた 絵の後ろに埋もれていたんだ 予想以上に予想通りの いい絵 上手に消えたあなたのことを 憶えていようが テーブルには新しく洗い物が 増えていく 集めていた 絵の後ろに埋もれていたのは うそぶく私を抱いている その腕で知れる鼓動 飛び込みたい退路を 後ろに惚けていたのは 狂える期待とこの手を撫でる虚像 "そこからあの朝日は見える? もう眠りにつく頃?” 代わりのない会話を後ろにもう出て 行ったのは 震える期待にその胸抑える挙動